【2026年10月31日~11月2日/札幌】JOY TO WORKS特別合宿セミナー 開催概要
若年性認知症当事者とともに過ごす 3日間
第2章|企画趣旨 ~なぜ当事者と「ともに過ごす」のか~

このセミナーは、若年性認知症を「学ぶテーマ」や「支援の対象」として理解するための場ではありません。当事者と同じ空間で過ごし、寝食を共にし、会話や沈黙を分かち合う。その時間そのものを通して、人と関わるとはどういうことなのかを、自分自身の感覚で捉え直していくための場です。

ともに過ごす時間の中では、できる・できない、支える・支えられるといった区分が、少しずつ意味を失っていきます。誰かの存在そのものが場の空気を変え、関係が動いていく。その変化を説明や理屈として理解するのではなく、身体感覚として受け取ることが、このセミナーの中心にあります。

なぜ「ともに過ごす」という形を選んだのか。それは、理解しようとする前に、まず同じ時間を生きることでしか見えてこないものがあると考えているからです。この章では、その考え方と、このセミナーが大切にしている時間の質について、言葉を尽くして整理していきます。

「理解する」「支援する」から始めない理由

多くの研修や学びの場では、対象を理解し、正しく支援することが出発点になります。しかし本セミナーでは、その立ち位置をあえて取りません。理解しようとすること自体が、知らず知らずのうちに距離や上下関係を生み、相手を「見る側」と「見られる側」に分けてしまうことがあるからです。

当事者とともに過ごす時間は、誰かを「わかる側」に置かないところから始まります。同じ場所に身を置き、同じ時間を過ごし、特別な意味づけを急がない。その積み重ねの中で、理解は目標として追いかけるものではなく、結果として、関係の中で立ち上がってくるものであり、最初から目指すものではありません。

「ともに過ごす」ことで起きる関係性の変化

当事者とともに過ごす時間は、特別なプログラムや説明から始まるわけではありません。寝食を共にし、何気ない会話を交わし、ときには言葉を交わさずに同じ空間にいる。その積み重ねの中で、人との距離感や関わり方が、参加者自身の中で少しずつ揺らいでいきます。

誰かを理解しようと力を入れなくても、当事者の存在そのものが場の空気を変え、関係性が自然に動いていく瞬間があります。その変化を分析したり言語化したりする前に、まずはその場にいる一人として受け取ること。「ともに過ごす」ことでしか立ち上がらない関係の変化が、このセミナーでは確かに起きていきます。

当事者が「役割を持つ」瞬間に立ち会う

本セミナーでは、当事者の「できないこと」に目を向けることから始めません。むしろ、当事者がその場にいることで生まれる変化に、自然と意識が向いていきます。場の空気が和らぐ、会話の流れが変わる、誰かの緊張がほどける。そうした出来事は、あらかじめ用意された役割ではなく、関係の中から立ち上がってきます。

ここで見えてくるのは、役割とは「与えられるもの」ではなく、「ともに過ごす中で自然に生まれるもの」だという感覚です。成果や効率では測れない、ただそこにいることの意味。その存在が場に影響を与えていることを、説明ではなく体験として受け取ることが、このセミナーの大切な時間になります。

「役割」や「貢献」の捉え方が揺さぶられる

ともに過ごす時間の中では、「役に立つ」「役に立たない」といった判断が、次第に拠りどころを失っていきます。何かを成し遂げたかどうかではなく、その人がそこにいることで、場や関係がどう変わったのかという感覚が、静かに浮かび上がってくるからです。

役割や貢献を、成果や効率だけで測ろうとすると、見落としてしまうものがあります。ともに過ごす時間は、人が存在すること自体が、すでに誰かに影響を与えているという事実を、体験として突きつけてきます。その揺らぎの中で、役割や貢献についての捉え方が、参加者一人ひとりの中で少しずつ更新されていきます。

当事者と家族がともに参加する意味

本セミナーでは、当事者本人だけでなく、家族も参加できる設計をしています。それは配慮や支援のためだけではなく、当事者と家族が同じ場にいるという現実そのものが、この時間の質を形づくると考えているからです。

当事者、家族、そして参加者が同じ空間で時間を過ごすことで、「支援する側」「支援される側」という枠組みは、自然と輪郭を失っていきます。立場や役割ではなく、関係としてそこに居合わせること。その経験は、共に生きるとはどういうことなのかを、頭ではなく感覚として受け取る機会になります。

日常へ持ち帰るための「余白」をつくる

この3日間は、何かを結論づけたり、正解を持ち帰ったりするための時間ではありません。むしろ、すぐには言葉にできない感覚や問いを、そのまま抱えて帰ることを大切にしています。

当事者とともに過ごした時間、交わした対話、共有した沈黙や表現は、日常に戻ったあと、ふとした瞬間に思い起こされます。そのとき初めて、自分の仕事や人との関わり方が、少しずつ変わり始めていることに気づくかもしれません。このセミナーは、その変化が自然に芽吹くための「余白」を、静かに手渡す場でもあります。


ℹ️ 各プランの詳細条件や申込み方法については、第5章「参加要項 ~料金・申込み方法~」をご確認ください。

【2026年10月31日~11月2日/札幌】JOY TO WORKS特別合宿セミナー 開催概要
若年性認知症当事者とともに過ごす 3日間
JOY TO WORKS が主催する合宿型セミナーです。若年性認知症の当事者と寝食を共にしながら、「働く」「役割を持つ」ことの意味を問い直します。支える/支えられるという分断を越え、人が人として関わる現場から、働く喜びの本質に触れる3日間です。
JOY TO WORKS トップに戻る