【2026年10月31日~11月2日/札幌】JOY TO WORKS特別合宿セミナー 開催概要
若年性認知症当事者とともに過ごす 3日間
第4章|プログラム内容のご紹介~登壇者・体験・上映作品について~

この章では、本セミナーを構成する具体的なプログラム内容をご紹介します。参加を検討する際、多くの方が気になるのは、「どんな場所で、誰と、どんな時間を過ごすのか」という点ではないでしょうか。本研修は、講義を聞くことを目的としたセミナーではなく、環境・人・体験が一体となって設計された時間そのものを通して、気づきが立ち上がっていくプログラムです。

森に囲まれたロケーション、当事者や専門職、表現者との出会い、映画や音楽、そして何気ない会話や沈黙の時間。それらは個別の要素として用意されているのではなく、同じ場所で同じ時間を過ごす中で、互いに影響し合いながら一つの体験を形づくっていきます。予定されたセッションだけでなく、食事や移動、夜の静けさや雑談の時間までもが、参加者にとって意味を持つ時間として組み込まれています。

この章では、そうした体験を支えているロケーション、登壇者、上映作品、そしてプログラム全体の構成について、順を追ってお伝えしていきます。

札幌芸術の森に佇む、表現者たちに選ばれてきた宿泊型ロケーション

本セミナーの舞台となるのは、札幌芸術の森の奥に位置する「芸森スタジオ & Cloud Lodge」です。都市の喧騒から切り離されたこの場所は、森に囲まれた静かな環境と、長時間滞在に適した宿泊機能を備え、創作や思索のための場として、長く選ばれてきました

このスタジオは、単なる研修施設ではありません。設立時には、ビートルズのプロデューサーとして知られるジョージ・マーティン氏の監修を受けて音響設計が行われ、その空間性は坂本龍一氏が高く評価したことでも知られています。音や空気の質に対する徹底した配慮が、この場所の背景にはあります。

森の中に身を置き、自然の気配を感じながら過ごす時間は、参加者の感覚を静かに内側へと向けていきます。セミナーは、このロケーションに泊まり込むことで初めて成立します。同じ場所で夜を迎え、朝を迎える。その連続した時間こそが、日常とは異なる深さの対話や気づきを生み出します。この場所そのものが、プログラムの重要な一部です。

この時間をともにつくる人たち

本セミナーは、当事者・実践者・専門職・ファシリテーターが一つのチームとして場をつくります。ここに集うのは、教える人/教わる人という関係ではなく、ともに過ごす時間そのものを形づくる人たちです。

👤YAYOI(若年性アルツハイマー当事者/歌い手)
若年性アルツハイマー型認知症と診断後も、歌手としての活動を継続。ライブや歌の場を通じて、「できること」や「役割を持つこと」を日常の中で体現しています。本研修では、言葉による説明ではなく、歌と存在そのものを通して、参加者に深い気づきをもたらします。

👤松本健太郎(若年性アルツハイマー当事者/働く当事者)
48歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断後も、働くことをあきらめず、工夫と対話を重ねてきました。自身の経験を発信し続け、2024年には北海道庁より「ほっかいどう希望大使」に任命。本研修では、当事者としての率直な語りを共有します。

👤中家八千代(プレイバックシアター実践者)
語り手の物語を即興で表現するプレイバックシアターの実践者。安心して語れる場づくりを専門とし、初日のセッションを担当します。研修期間を通して、関係性が育つ空気を静かに支える存在です。

👤大辻誠司(精神保健福祉士)
認知症疾患医療センターにて20年以上、医療・家族・地域をつなぐ支援に携わってきました。本研修では松本健太郎さんのサポートを中心に、専門的な視点から場を下支えします。

👤横山光紀(主催/研修ファシリテーター)
企業・自治体・大学での人材育成や組織支援に長年携わる。若年性アルツハイマーの妻YAYOIの活動を支えながら、当事者が役割を持ち続けられる社会づくりに取り組んでいます。本研修では、全体設計と進行を担います。

夜の映画鑑賞『オレンジ・ランプ』

DAY2の夜、ロッジで映画『オレンジ・ランプ』を鑑賞します。若年性認知症とともに生きる当事者と家族の日常を描いた本作は、知識を得るための教材ではなく、人と人が関係を続けていく現実を静かに映し出す作品です。

鑑賞後は感想をまとめたり結論を出したりすることを目的としません。映画を通して残った違和感や引っかかりを抱えたまま、その後の「ともに過ごす時間」へ戻っていく。その流れの中で、映画の出来事が自分自身の感覚と重なっていくことを大切にしています。

映画『オレンジ・ランプ』
公開年:2023年
原作:山国秀幸・山国真希『オレンジ・ランプ』
あらすじ:若年性認知症と診断された当事者と、その家族が、戸惑いや衝突を抱えながらも日々の生活を続けていく姿を描く。診断をきっかけに揺らぐ仕事、家庭、周囲との関係の中で、「どう生きていくか」を模索し続ける日常が積み重ねられていく。
テーマ:若年性認知症とともに生きる当事者と家族の日常
鑑賞形態:研修プログラム内上映(上映権取得済)
公式サイト:https://www.orange-lamp.com/
ともに過ごす時間を立体化するプログラム群

本セミナーでは、3日間の流れの中で、対話・表現・鑑賞といった異なる形式のプログラムを重ねながら、「ともに過ごす」体験を少しずつ深めていきます。ここでは、これまで紹介しきれなかった主なプログラムを、時系列に沿ってご紹介します。

DAY1に行われるプレイバックシアターは、参加者や当事者の語りをもとに、その場で即興的に演じ返すプログラムです。出来事や感情が他者の身体を通して表現されることで、自分の体験を少し距離を置いて受け取り直すことができます。理解や整理を目的とするのではなく、ともに過ごし始めた時間を別の角度から感じ直すための入り口として位置づけられています。

DAY2の当事者の語りと理解では、若年性認知症の当事者自身が、これまでの経験や日常について語ります。知識を得る場ではなく、語りをそのまま受け取り、その場に居合わせることを大切にしています。語りは一方向の講話ではなく、関係性の中で自然に立ち上がっていく時間です。

同じ日の午後に行われるレターセッションでは、映画鑑賞や当事者との時間を経て、自分の中に残った感覚や問いを手紙という形で書き留めます。共有を前提とせず、体験を静かに内省し、言葉にしてみるための時間です。

夜にはディナーとあわせてYAYOIによるミニライブが行われます。音楽という言葉とは異なる表現が加わることで、場の空気や関係性がやわらかく変化していきます。説明や理解を超えたレベルで、「ともにいる」感覚を深める時間として組み込まれています。

これらのプログラムは、いずれも成果や結論を導くためのものではありません。異なる体験を重ねることで、参加者それぞれの中に残る感覚や問いが、日常へと持ち帰られていく。そのための立体的な時間として構成されています。


ℹ️ 各プランの詳細条件や申込み方法については、第5章「参加要項 ~料金・申込み方法~」をご確認ください。

【2026年10月31日~11月2日/札幌】JOY TO WORKS特別合宿セミナー 開催概要
若年性認知症当事者とともに過ごす 3日間
JOY TO WORKS が主催する合宿型セミナーです。若年性認知症の当事者と寝食を共にしながら、「働く」「役割を持つ」ことの意味を問い直します。支える/支えられるという分断を越え、人が人として関わる現場から、働く喜びの本質に触れる3日間です。
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