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ハタラク/パーセント

第2回|「退職理由のトップは給与 36.6%」



「はたらく%」は、働き方や職場のリアルを“数字”で切り取る連載企画です。
統計や調査データをきっかけに、数字の裏にある人や企業のストーリーを読み解きます。
無機質な数字の中にも、誰かの悩みや工夫、喜びがあります。数字を知ることで、自分の働き方や職場を少し見直すきっかけになれば——そんな思いでお届けします。
退職理由のトップは「給与」36.6%
会社を辞めるとき、人はどんな理由を挙げるのでしょうか。
厚生労働省「雇用動向調査」(2022年)によれば、転職入職者が前職を辞めた理由の第1位は「労働条件(賃金を含む)」で36.6%でした。

次点は「職場の人間関係」(14.6%)、「労働時間・休日等」(11.2%)。

給与が1位というのは想像通りかもしれません。
けれど注目すべきは、2位の「人間関係」にダブルスコア以上の差をつけている点です。
「辞める理由は人間関係」というイメージが強いですが、実際の数字を見ると、圧倒的に「給与・条件」がトップ。

これは、生活費や将来不安といった現実的な要因が、職場の雰囲気よりも強い退職動機になっていることを示しています。
言い換えれば、給与がしっかりしていれば、多少の人間関係トラブルは“耐えられる”人が多い、という日本の職場のリアルが透けて見えます。
給与だけじゃない“労働条件”の幅
「給与不満」といっても、その中身は単なる金額だけではありません。
実際には以下のような“複合要因”が絡んでいます。

1. 実質賃金の低下
給与額が変わらなくても、物価高で生活コストが上がれば「実質的に減った」と同じこと。
「去年まで黒字だった家計が、今年は赤字」という実感は大きな不満に。

2. 他社比較の透明化
求人サイトやSNSで同業他社の給与がすぐ分かる時代。
「同じ仕事をしているのに、うちは低い」と分かった瞬間、不公平感が増幅します。

3. 成長機会=評価の不足
給与は「あなたを評価しています」というメッセージでもあります。
上がらない=評価されていない、と受け止めれば、金額以上の失望につながります。

4. 労働負担との釣り合い
残業や休日出勤が多いのに給与が見合わないと「割に合わない」という感覚に。
時給換算して「最低賃金以下かも」と気づいた瞬間、退職が現実味を帯びます。
「給与が理由」のリアルな声
|Cさん(20代男性・販売職)|
「同業の友人と比べて5万円も低いことに気づきました。交渉しても上がらず、“じゃあ転職しよう”と即決でした」

|Dさん(30代女性・事務職)|
「額面はそこそこだけど、残業代が出ない。時給に直すと最低賃金以下じゃない?と思って辞めました」

お金の額面だけでなく、“納得感”の欠如が大きなトリガーになっていることが分かります。
JOY TO WORKS流の「給与」への向き合い方
給与は大事。けれど**「納得感」を補う仕組み**があれば、不満は和らぎやすくなります。
JTWでは次のような環境づくりを提案しています。

1. “プラスα収入”を試す
副業やプロジェクト参加で小さく収入源を増やす。
→ 「自分の市場価値を確かめられる」「収入の一本足打法から抜け出せる」

2. “見えない貢献”を可視化する
後輩指導や仲間サポートなど、給与に直結しにくい努力をコミュニティ内で認め合う。
→ 「会社から評価されなくても、誰かに気づいてもらえる」

3. “やりがいを感じる環境”をつくる
抽象的に言えば“やりがい”ですが、具体的には:

● 自分の提案が職場に採用される
● 感謝の言葉を日常的に受け取れる
● 社外でも通用するスキルを磨ける
● 誰の役に立っているかが見える

こうした実感が積み重なると、給与がすぐに上がらなくても「ここで働く意味がある」と感じられます。
36.6%の理由に、あなたはどう向き合う?
退職理由のトップは給与。
けれどその裏には、金額だけでなく“不公平感”や“評価不足”といった人間的な感覚が潜んでいます。
あなたにとって「今の給与」、納得できるものですか?

次回は——「テレワークを続けている人〇%」。
新しい働き方はどこまで根付いたのか、数字から確かめます。
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