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「はたらく」をもっと自由にするヒント、聞いてみた!

シゴトイノベーターズ

#02|「AIでチームが成長する時代」?



「シゴトイノベーターズ」の第2回目は、AIがチームの成長をどのように加速するかを追求する、小守谷直毅さんにインタビュー。彼が手掛ける「ワンミニッツ」は、単なる会議ツールにとどまらず、チームのコミュニケーションをよりスムーズに、効率的に進化させるための新たなアプローチを提供しています。これからの働き方に革命をもたらす「AIファースト」の時代。果たして、どんな未来が待っているのでしょうか。
今回のイノベーター/小守谷直毅さん(ワンミニッツ株式会社 代表取締役)

こもりや なおき/新卒で大成建設に入社後、管理部門での経験を経て、2019年に「quintet株式会社」を共同創業。2020年12月より「ワンミニッツ」の開発が始まり、その後、2025年2月に社名を「ワンミニッツ株式会社」に変更しました。議事録ツール「ワンミニッツ」は、AIを活用した多言語対応の会議効率化ツールとして、企業のコミュニケーションや成長を支援するサービスを提供しています。
▶▶ ワンミニッツ|多言語ワンストップAI議事録管理ツール


人生の大部分の時間を占める「仕事」に情熱を注げていなかった
小守谷直毅氏が現在の道を歩み始めたのは、決して一夜の決断からではない。新卒で入社した大成建設での勤務経験を経て、彼は自身の働き方を根本的に変えたいという思いに駆られたという。「仕事が人生の大部分を占める以上、それを楽しめていないのはもったいない」という気持ちが、彼を起業へと導いたのだ。
「当時、自分は本当にやりたいことに情熱を注げていなかった。それを変えたかった」と振り返る小守谷氏。彼は、単にサラリーマンとして働くのではなく、自分の熱意を注ぎ込める仕事を追求するために起業を決意した。その結果、現在、彼は自らが着想・開発したサービス「ワンミニッツ」を通じて、企業やチームの働き方を革新する立場に立っている。
きっかけは議事録の効率化
「ワンミニッツ」とは、音声認識によって会議の議事録作成や要約をサポートするツールで、100言語以上の翻訳機能を備えている。AIによって会議後の議事録を迅速に要約し整理・保管、チームメンバー全員が即座にアクセスできるようにすることで、チーム内コミュニケーションの効率を大幅に向上させる画期的なツールだ。
開発に至るきっかけは、会議での議事録作成の手間を減らす必要性に対する問題意識から始まった。サラリーマン時代、議事録を取ることに不便を感じていた小守谷氏は、「会議が終わると、どこにメモがあるかも分からないし振り返るのが面倒。これは自分にとっても、チームにとっても、大きなロスにつながると感じていた」と語る。ここから「ワンミニッツ」を着想し、議事録作成の自動化と多言語対応機能を組み込むことで、会議の生産性と社員間のコミュニケーションを大幅に改善するツールが誕生した。
「ワンミニッツ」のさらなる進化
「ワンミニッツ」の最大の強みは、単なる議事録ツールを超えて、チームの成長を促すコミュニケーションツールとしても機能する点だ。小守谷氏は、「議事録はただの記録ではなく、組織にとって重要なナレッジ管理のツールであるべきです」と話す。
ワンミニッツは、議事録の自動作成だけにとどまらず、その後すぐに共有され、次のアクションに生かせる形でフィードバックを提供する。小守谷氏は続けて、「例えば、商談後には"AI営業コーチ"が商談内容を振り返り、次回に向けて改善点を示してくれます。これにより営業担当者はスキルアップでき、さらにこのレポートをチームで共有することで、チーム全体の成長へと繋がるんです」と語る。
議事録ツールから始まった「ワンミニッツ」は、もはやその守備範囲を軽々と超えて、「チームの成長を促すコミュニケーションツール」として成長を続けている。
未来の働き方は「AIネイティブ世代」がつくる
これからの働き方において、AIの役割はますます重要になっていく。小守谷氏は、その変化の中心を担うのは「AIネイティブ世代」だと考えている。彼によれば、これからはAIが仕事を「変える」のではなく、AIを使いこなすことで新たな価値を「生み出す」ことが求められる時代になるという。
「AIを使うことが当たり前となり、それによって仕事が効率的に進む。社員一人ひとりが自分の得意分野に集中できる環境が整うのです」と語る小守谷氏。彼は、AIが導く未来の仕事環境には、無駄な作業が削ぎ落とされ、より深い専門性を活かすチャンスが広がると確信している。
「これからの時代は、AIをどう活用するかで企業や個人の成長が左右されます。単なる作業の効率化にとどまらず、AIを使って新しい価値を生み出すことで、働き方そのものが根本的に変わっていくのです」
AIは「まずは触れてみる」ことから
AIが働き方を変える時代に向けて、小守谷氏が今もっとも伝えたいのは、「まずAIに触れてみること」の大切さだ。
「AIを使いこなすには、最初の一歩として“触ってみる”しかありません。業務で使おうなんて思わなくていい。ただ遊びで触れてみるだけで、“あ、こんなこともできるんだ”って可能性が見えてくるんです」と語る。
実際、小守谷氏が登壇したAI活用の勉強会でも、参加者の多くが「使い方がわからない」「何ができるか想像できない」と話していたという。
「だからこそ、身近なツール——たとえばChatGPTやGoogleのGeminiのような対話型AIに、気軽に話しかけてみるだけでも十分。AIは触らなければ、何も始まりません。最初はAIとの雑談でもいい。そうやって少しずつ使っていく中で、これは業務にも応用できそうだとか、自分の強みを活かす方法が見えてくる」と言葉を続ける。
AIを使うのは「特別な誰か」ではなく、「誰でもできること」。だからこそ最初の接点を難しくしないこと。そんな思いが、小守谷氏のメッセージには込められている。
AIで築く未来の働き方
「ワンミニッツ」は今や、ただの議事録作成ツールではなく、企業の成長を後押しするための大きな力を身につけている。小守谷氏は、「今後もAIを活用して、企業のナレッジマネジメントを進化させ、チームがさらに成長できるようサポートしていきたい」と未来への意気込みを語る。
社員一人ひとりの成長こそが、企業全体の力を高めると考える小守谷氏。AIを活用した新しい働き方を提案し、柔軟で効率的なチーム作りを支援することが、これからの未来に向けた大きな鍵になると感じている。
【取材協力】
ワンミニッツ株式会社
AIを活用した多言語対応の議事録管理ツール「ワンミニッツ」を提供する企業。同ツールは、ANAグループ、電通、マイナビなどの大企業から、地方の製造業や不動産業、酒造メーカーまで、規模や業界を問わず導入されている。売上アップや生産性向上に加え、グローバル対応や障害者支援にも活用されている。
▶▶ ワンミニッツ|多言語ワンストップAI議事録管理ツール

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