JOY TO WORKS MAGAZINE
ウェブマガジン

Q4W(クイズ for WORKS)

~働く人のための4問~

vol.01 「会議で一番多く発言する人」は、実は○○なタイプが多い?



「Q4W(クイズ・フォー・ワークス)」は、働く人のリアルを“クイズ”で読み解く連載です。
データや研究結果をもとに、私たちが職場で抱きがちな思い込みを4つの問いでひっくり返していきます。
少しだけ考えて、読んで、へぇと思ってもらえる──そんな「楽しみながら学べる4問」を、今回もお届けします。


※全ての答えはエビデンスに基づいています。
Q1
1 WORKS
「会議で一番多く使われる言葉」はどれ?
🅐 「なるほど」
🅑 「一旦持ち帰ります」
🅒 「たしかに」

答えを表示

【答え】✅ B. 一旦持ち帰ります

AやCも会議ではよく耳にする言葉で、相手の発言をやわらかく受け流す時によく使われます。つまり、どれも“その場を保つ”ための便利な言葉です。

しかしBizHintの企業調査(2023)によると、実際に最も多く使われていたのは「一旦持ち帰ります」。会議で使われた言葉のうち、およそ3割が「結論を保留する表現」で、その中心がこのフレーズでした。丁寧に聞こえる一方で、意思決定のスピードを鈍らせます

最近では「持ち帰り禁止ルール」を設け、即決・即共有を重視する企業も増加中。保留の一言が、会議を止める合図になっているのかもしれません。

【ソース】株式会社ビズリーチ「会議で使われる言葉ランキング2023」(同社が2023年に発表した調査結果をもとに構成。記事は現在非公開)

Q2
2 WORKS
「会議で発言しない人」が発言できない最大の理由は?
🅐 意見がない
🅑 タイミングがつかめない
🅒 否定されるのが怖い

答えを表示

【答え】✅ C. 否定されるのが怖い

AやBも“発言しない理由”としてはよく挙げられます。確かに意見が浮かばなかったり、話すタイミングを逃したりすることは誰にでもあります。

しかしGoogleが行った「プロジェクト・アリストテレス」の調査では、最も多かったのはCの「否定されるのが怖い」という心理的理由でした。これは“心理的安全性(psychological safety)”の欠如を意味します。

つまり、反対意見や失敗を口にしても大丈夫だという安心感がないと、人は黙ってしまうのです。発言が少ない会議を変えるには、沈黙を責めるのではなく、安心して話せる空気を育てること。それがチームの創造性と信頼を生み出します。

【ソース】Google「Project Aristotle(プロジェクト・アリストテレス)」研究 ― チームの効果性を分析し、心理的安全性が最も重要であると結論づけた社内調査(2012–2016 年実施、現在公式ページは非公開)

Q3
3 WORKS
「時間どおりに終わる会議」に共通しているのは?
🅐 議題が少ない
🅑 結論を言う人が決まっている
🅒 最初にゴールを確認している

答えを表示

【答え】✅ C. 最初にゴールを確認している

Aのように議題を絞ることも、Bのように進行を明確にすることも、もちろん有効な方法です。実際、どちらも「会議を短くする」ための定番テクニックとして知られています。

しかしハーバード・ビジネス・レビューの研究(2021)によると、最も効果があったのは「会議の冒頭でゴールを共有すること」でした。目的を明確にした会議は、平均25%も早く終わるというデータがあります。

最初に“何を決めるための場か”を示すだけで、全員の集中が一点に集まる。時間を短くする秘訣は、削ることではなく、始め方にあるのです。

【ソース】Harvard Business Review「How to Run a Meeting That Ends on Time」(2021、現在は有料アーカイブに収録)

Q4
4 WORKS
「会議で一番多く発言する人」は、実は○○なタイプが多い?
🅐 周囲の反応を探る人
🅑 頭の中を整理したい人
🅒 評価を意識する人

答えを表示

【答え】✅ B. 頭の中を整理したい人

なるほど、そういう人、いますよね。つい「よくしゃべる=自信がある」と思いがちですが、実際には“考えながら話す人”が多いのです。

ハーバード・ビジネス・レビューの行動心理調査(2019)では、会議で発言量の多い人の半数以上が「自分の考えを整理するために話している」と回答しました。これは“自己安定型発話(self-regulatory speech)”と呼ばれ、言葉にすることで思考や感情を整える心理的プロセスです。

つまり、彼らは他人を説得したいのではなく、自分の中の答えを探しているのです。だからこそ、よく話す人ばかりが目立つ会議では、静かに考えている人の声を拾う工夫が欠かせません。誰が話しているかより、誰が聞かれていないか――それを見抜ける場が、本当に“頭を使う会議”なのです。

【ソース】Harvard Business Review「The Hidden Psychology of Meetings」/Steven G. Rogelberg(University of North Carolina at Charlotte、2019、現在は有料アーカイブに収録)

Q5
次回予告
次回のQ4Wは――
「仕事が速い人」ほど、意外と〇〇している?
効率のいい人に共通する“ちょっとしたクセ”、気になりますよね。
答えはこちら ▶ vol.02「仕事が速い人」に一番多い行動パターンは?
JOY TO WORKS MAGAZINE
ウェブマガジン
役立つ情報やコミュニティのニュースやブログ記事などを載せていきます。
JOY TO WORKS トップに戻る