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ハタラク/パーセント

第3回|「テレワークを続けている人 27.3%」



「はたらく%」は、働き方や職場のリアルを“数字”で切り取る連載企画です。
統計や調査データをきっかけに、数字の裏にある人や企業のストーリーを読み解きます。
無機質な数字の中にも、誰かの悩みや工夫、喜びがあります。数字を知ることで、自分の働き方や職場を少し見直すきっかけになれば——そんな思いでお届けします。
続けているのは約4人に1人
総務省「通信利用動向調査」(2022年)によれば、雇用者のうちテレワークを利用している人は27.3%。
コロナ禍直後のピーク(2020年、36.4%)からは減少しましたが、2019年の8.4%に比べれば、まだ3倍以上の高水準です。

「一過性で消える」と思われていたテレワークですが、制度整備や社員ニーズが追い風となり、一定数が定着しました。
一方で意外なのは、3割には届かない数字に落ち着いたこと。社会全体のデジタル化が進んだことを考えると「もっと増える」と予想した人も多いはずです。
つまり「みんながテレワーク」ではなく、「できる業種・企業だけが続けている」という現実が浮かび上がります。
テレワークが定着する会社とそうでない会社
1. 職種・業種の違い
IT・金融・情報通信では5割超が継続しているのに対し、製造や接客サービスは1割未満にとどまります。現場作業や対面接客はどうしても“在宅”に置き換えにくいようです。

2. 企業規模
大企業ほど制度整備やインフラ投資が進み、テレワーク率も高くなります。一方で中小企業はコストやITリソースが不足し、制度があっても「使いにくい」状態になりがちなようです。

3. 経営層の姿勢
「社員は出社すべき」というトップの価値観が強い会社では、制度そのものが縮小・廃止されやすい傾向があります。上層部が“働く=会社に来る”と考える限り、テレワークは形骸化してしまうことが多いようです。

4. 社員のニーズ
子育てや介護を担う社員からの要望が強い会社では、制度が維持されやすくなります。現実的な必要性が制度の存続を後押ししているようです。
テレワークのリアルな声
Xでは「在宅だとスマホを触ってしまい全然仕事に集中できない」「フルリモートは孤独がつらい」といった声が見られます。一方で「通勤がないだけでラク」「週2~3日の在宅がちょうどいい」という肯定的な意見も少なくありません。

また、ある子育てブログサイト(サイボウズ式|在宅勤務と子育てのリアル)では「子どもが家にいると業務に集中できず効率が落ちてしまう」という悩みが紹介されていました。

さらに、ある企業の社員ブログ(MERGES|テレワークと育児の両立)でも「テレワークは助かるが、育児と重なると時間のやりくりが難しい」という声が挙げられています。

こうした声を見ていると、テレワークは“救い”にも“負担”にもなり得る働き方であり、それぞれに合ったバランスの見つけ方が重要だと分かります。
JOY TO WORKS流の「テレワーク活用術」
テレワークは単に「会社に行かずに働ける制度」ではなく、自分の働き方を主体的にデザインするきっかけにもなります。活用のポイントは大きく三つです。

1. 生産性を高める時間割にする
自宅だからこそ集中が必要な作業をまとめて行い、打ち合わせや雑談が欲しい日は出社や対面に充てるなど、仕事内容で働き方を振り分けると効率が上がります。

2. 生活の質を上げる余白を活かす
通勤がなくなった分の時間を休養や学び直しに充てることで、結果的に仕事にも好循環が生まれます。家族との時間や副業・趣味に挑戦するなど、生活全体を豊かにする機会として活用できます。

3. コミュニケーションを意識的に補う
リモートは人との距離を生みやすいため、オンライン会議に雑談を挟む、定期的に対面で集まるなど意識的に工夫することで「一緒に働いている」感覚を保ちやすくなります。
27.3%は“少ない”か“多い”か
ピーク時からは減ったものの、2019年比では3倍以上。数字の見方次第で「定着した」とも「意外と少ない」とも言えます。あなたにとって理想の働き方は、テレワークが中心でしょうか、それともオフィスワークでしょうか。

次回は——「有給休暇を全消化する人〇%」。
働く人の“権利の実効性”を数字で見ます。
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