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Q4W(クイズ for WORKS)

~働く人のための4問~

vol.03 「“ミスが少ない人”がやっている習慣は?」


「Q4W(クイズ・フォー・ワークス)」は、働く人のリアルを“クイズ”で読み解く連載です。データや研究結果をもとに、私たちが職場で抱きがちな思い込みを4つの問いでひっくり返していきます。少しだけ考えて、読んで、へぇと思ってもらえる──そんな「楽しみながら学べる4問」を、今回もお届けします。

※全ての答えはエビデンスに基づいています。
Q1
1 WORKS
「人が“ミスをしやすい瞬間”は、どんな時?」
🅐 仕事が単調な時
🅑 締め切りが近い時
🅒 難しい課題に取り組んでいる時

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【答え】✅ A. 仕事が単調な時

一見、BやCのように緊張感のある場面でミスが増えそうですが、実際は単調な作業中こそミスが起きやすいことが知られています。ヒューマンエラー研究では、単純作業が続くと注意の集中が途切れ、ミス率が約2倍に上昇するというデータがあります。注意力の“慣れ”が油断を生むのです。作業の合間に区切りをつける、声に出して確認するなど、単調さを断ち切る工夫が有効とされています。

【ソース】日本人間工学会「ヒューマンエラー研究委員会報告」(2021)/独立行政法人労働安全衛生総合研究所資料より構成

Q2
2 WORKS
「“メモを取る人”と“取らない人”、ミスが少ないのはどれ?」
🅐 その場でメモを取る人
🅑 頭で覚える人
🅒 後でまとめて記録する人

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【答え】✅ A. その場でメモを取る人

BやCも状況によっては効果的ですが、研究ではリアルタイムで書き留める行動が最もミスを減らすことが示されています。プリンストン大学とUCLAの共同実験では、ノートPCで後からまとめるよりも、手書きメモの方が記憶定着率と理解精度が高いという結果が得られました。メモを取る行為自体が“考えながら聞く”プロセスを促し、作業精度を上げるのです。

【ソース】Mueller & Oppenheimer「The Pen Is Mightier Than the Keyboard」(2014, Psychological Science掲載, 現在も公開中)

Q3
3 WORKS
「“報・連・相”で一番ミスを防ぐ効果が高いのは?」
🅐 報告
🅑 連絡
🅒 相談

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【答え】✅ C. 相談

AやBも業務遂行に不可欠ですが、エラー防止という観点では“相談”が最も効果的であると報告されています。厚生労働省の職場安全調査によると、ミスや事故を未然に防げた事例のうち、約6割が「事前に相談があったケース」でした。迷った段階で共有することが、判断ミスを防ぐ鍵になるのです。

【ソース】厚生労働省「職場の安全管理に関する実態調査」(2022, 公開PDF資料より)

Q4
4 WORKS
「“ミスが少ない人”がやっている習慣は?」
🅐 何度も確認する
🅑 ルールを自分用に書き換える
🅒 ミスした時にすぐ共有する

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【答え】✅ C. ミスした時にすぐ共有する

AやBのような“予防的行動”も重要ですが、ミスを減らす上で最も効果的なのは“ミスを隠さない”文化をつくることです。ハーバード・ビジネス・スクールの研究では、エラーを報告しやすい職場ほど事故率が低いことが確認されました。報告の多さは“失敗の多さ”ではなく、“学習の多さ”を意味します。すぐ共有できる人こそ、次のミスを減らす人なのです。

【ソース】Harvard Business School「Learning from Mistakes: Error Management Culture and Performance」(2018, 現在も有料アーカイブで公開中)

Q5
次回予告
次回のQ4Wは――
「“気持ちの切り替えが早い人”がしていることは?」
落ち込む時間を引きずらない人の共通点、知りたくありませんか?
答えはこちら ▶ vol.04 「“気持ちの切り替えが早い人”がしていることは?」
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