JOY TO WORKS MAGAZINE
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「はたらく」をもっと自由にするヒント、聞いてみた!

シゴトイノベーターズ

#03|挑戦者を主役にする“裏方革命”とは?



「シゴトイノベーターズ」第3回では、北海道を拠点に急成長を続けるネクストグループを率いる砂川優太氏にインタビュー。SNS運用からデザイン、PR、採用支援、バックオフィスまで、企業の“総合職的な機能”を丸ごと外部から提供するという独自のモデルは、挑戦者の負担を劇的に軽くする新しい働き方のかたちです。
これからの企業経営はどう変わるのか──その“未来の原型”に迫ります。
今回のイノベーター/砂川優太さん(株式会社ネクストグループ 代表)

すながわ ゆうた/北海道を拠点に、SNS運用、デザイン、WEB制作、PR、営業支援、採用支援、バックオフィス代行など、企業活動を前に進める多様な業務を一気通貫で担う「ネクストグループ」を率いる砂川優太さん。100社以上の企業支援を通じ、挑戦が止まってしまう原因は“能力”ではなく“構造”にあると見抜き、細かな総合職的業務を外部から支える独自の仕組みを構築。挑戦者が本来の仕事に集中できる環境づくりに取り組み、小規模企業から中堅企業まで幅広い成長を後押ししています。
▶▶ 株式会社ネクストグループ
▶▶ 砂川優太プロフィール

第1章|「ネクストって何者?」という違和感から始まる物語
北海道を中心に、「ネクストグループ」という名前を聞く機会がここ1年で急激に増えた。業務内容自体はSNS運用、デザイン、WEB制作、PR、営業支援、採用支援、バックオフィス代行──と、並べてみると多岐にわたるが、その全体像は正直どうにも掴みにくい。従来のどの“業種の箱”にも収まらないからだ。

だが、代表の砂川優太氏に話を聞くと、この“掴みにくさ”そのものが、明確な意図によって創られていることがわかる。ネクストが提供しているのはサービスの羅列なんかではなく、「挑戦者の詰まりを外部から取り除き、前に進む力そのものをつくる」という構造だからだ。この視点で見た瞬間、それまでの漠然とした違和感が一気に輪郭を持ちはじめる。
第2章|挑戦が止まる本当の理由──“やるべきことの山”が経営を押しつぶす
100社以上の支援を通じて砂川氏が痛感したのは、「挑戦したいのに動けない企業の多くが、能力ではなく構造に阻まれている」という事実だった。

構想はある。やりたいこともある。だが、日々の細かな実務が山のように積み上がり、本来の挑戦に時間もエネルギーも割けない。SNS、デザイン、資料づくり、採用広報、PR、段取りの整理。重要だが、社長がやるにはあまりに細かすぎる。しかし専任を雇うほどでもないし、コスト的な余裕がないケースが圧倒的に多い。結果、挑戦のスイッチが押されないまま時間だけが過ぎていく。

砂川氏は言う。「多くの会社では、総合職的な“細かな仕事”を担う余白が完全に枯れているんです」。この構造を変えない限り、挑戦は永遠に詰まり続ける。
第3章|“総合職機能の外部化”というネクストグループ独自の解決策
課題整理から戦略、SNS、デザイン、PR、採用広報、事務作業、バックオフィスまで、一気通貫で引き受ける。外部なのに、内部の総合職チームのように機能する。その仕組みを私たちは「総合職機能の外部化」と呼ぶことにした。

これは単なる“業務範囲が広い会社”という話ではない。従来の制作会社やコンサルでは拾いきれなかった“宙に浮いた仕事”──業務の隙間に落ちる細かな段取りや調整を、体系化し、プロセスに落とし込み、外部のチームが丸ごと引き受けるという構造そのものが、これまで存在していなかった。もしもあなたが経営者なら、「そうそう!」と深く頷いているのではないだろうか。

砂川氏は言う。「挑戦する人が前だけを見られる世界をつくりたいんです」。この言葉は、サービス説明ではなく思想そのものだ。
第4章|“外部にも総合職チームがいる”という働き方の再定義
ネクストの支援を受けた企業の多くが「精神的負担がなくなった」と口を揃える理由は、シンプルでありながら深い。これまで“社長が全部背負う前提”だった構造が、ネクストの参画によって崩れるからだ。

これからの組織は、雇用だけで成立するものではない。外部に専門チームがいて、必要な瞬間に立ち上がり、固定費を増やさずに機能を拡張できる。特に2030年問題に象徴される人材不足が深刻化する中、外部の総合職チームと組むというモデルは必然的に主流となる。

「一人で抱える時代は終わりですよ。挑戦はチームでやるものです」。砂川氏のこの言葉は、働き方の未来そのものを言い当てている。
第5章|“最強の下請け”という逆転発想──主役は徹底してクライアント
最も印象的だった砂川氏の言葉は、「私たちは“最強の下請け”でいいんです」だった。

普通、企業は上流工程を取りに行きたがる。より戦略的に、より権限の強い位置を求める。しかし砂川氏のスタンスは真逆だ。主役になる気はまったくない。挑戦する誰かが主役になるためなら、戦略も泥臭い実務も、細かな段取りも、全部やる。

これは、“自社が目立つ”より“クライアントが前に進む”ことを優先するという、従来の構造をひっくり返す価値観だ。ここにネクストグループのシゴトイノベートの核心がある。
第6章|「1億の会社を100社つくる」──ネクストが描く未来の挑戦地図
砂川氏の未来へのビジョンは独特だ。「10年で100億をつくりたい。でも1社で100億じゃない。“1億の会社を100社”なんです」。

巨大企業をつくるのではなく、小さくても挑戦できる企業を量産するほうが、社会自体を強くすると彼は考える。しかもネクストの“総合職機能の外部化”は、極端な話、一人社長でも会社運営を可能にする構造を持つ。この仕組みが広がれば、地方の小規模事業者は格段に挑戦しやすくなる。

そして砂川氏は最後にこう語った。「まずは一度、私と会ってもらえれば必ず前に進めます」。これは決意表明ではなく、確信に満ちた宣言に聞こえた。
第7章|JOY TO WORKSとしての結論──これは働き方の未来の原型である
JOY TO WORKSとして、今回の取材をどう位置づけるか。結論は明確だ。ネクストグループの「総合職機能の外部化」は、働き方そのものを更新する“未来のプロトタイプ”である。

雇用だけに依存しない組織づくり。外部パートナーが内部チームのように滑らかにつながる働き方。小さな企業でも挑戦できる構造。そして、挑戦者を主役にするという逆転の価値観。

これらすべてが、次の時代の働き方の要素になる。だからこそ、砂川優太氏は「シゴトイノベーター」と呼ぶにふさわしい。ネクストグループが示すこのモデルは、これからの日本の働き方を変える大きな潮流となるかもしれない。
【取材協力】
株式会社ネクストグループ
「挑戦するすべての人に、次の一歩を届ける」を理念に、経営コンサルティング、クリエイティブ制作、PR・ブランディング、営業・採用支援、バックオフィス代行などを一気通貫で提供する4社構成の企業グループ。スタートアップから地方の小規模事業者まで100社超の支援実績を持ち、AIを活用した業務効率化と伴走型の実行支援を組み合わせることで、クライアントの事業成長と持続可能なビジネスづくりを推進している。
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